part2_日本の伝統食文化

120歳を目指す秘訣?日本人が知らない「生で食べる米」文化、しとぎの5つの真実

目安時間 8分

私たちは日々、健康や長寿の秘訣を探し求めています。世界中のスーパーフードが注目を集める一方で、私たちの足元、日本の伝統の中にこそ、驚くべき食の知恵が眠っているとしたらどうでしょう。

その答えの一つが「しとぎ」かもしれません。

「しとぎ」とは、水に浸した生米を搗き固めただけの、極めてシンプルな食べ物です。

しかし、その歴史は1100年、あるいは1200年にも及び、日本の食文化の根源に関わる深い意味を持っています。

この記事では、ほとんど知られていない「しとぎ」という古代食に秘められた5つの真実を紐解き、私たちが現代の食生活で見失ってしまったかもしれない価値を再発見していきます。


全ての和菓子の原点、それは「生米」だった

今日の洗練された和菓子の世界を思い浮かべてみてください。その全ての始まりが、火も使わずに作られた生の米だったと聞けば、多くの人が驚くのではないでしょうか。


実は、この「しとぎ」こそが、あらゆる和菓子の「御先祖様」であり、日本の「スイーツの原型」とされています。


滋賀県の小野神社で執り行われる「しとぎ祭」は、実に1100年、あるいは1200年前から、地域の長老である「十二民衆」の手によって受け継がれてきたと伝えられています。


これは、しとぎという食文化がどれほど深く日本の歴史に根差しているかを示す証です。


砂糖も複雑な調理法もない時代、人々は米を水に浸し、搗き固めるという最も素朴な方法で、穀物の持つ本来の甘みや生命力を味わっていました。


このシンプルな一品から、今日の多様で美しい和菓子の文化が花開いたのです。

120歳を目指す現代人が実践する、古代からの健康法

かつて神々への捧げものであったこの古代食は、時を超え、現代人の長寿への願いを叶える鍵となっているのかもしれません。


歴史遺産としてだけでなく、自らの健康のために「しとぎ」を日常に取り入れている人がいます。


ある男性は、これを自身の健康を支える「健康食の一つ」だと断言します。


彼の方法は驚くほどシンプルです。もち米ではなく「普通の米」を一晩水に浸し、それを軽く潰して食べるだけ。


彼はこの習慣を続けることで、驚くべき活力を得ていると話し、「目指して120歳ですかね。


120は当然と思ってます」と力強く語るのです。


彼の言葉は、古代から続く食の知恵が、現代人の究極の目標である健康長寿に直結する可能性を示唆しています。


これが私の健康食の1つです。


和食の基本は「生」にあり?刺身だけではなかった日本の食文化の原点

「和食の基本は何か」と問われれば、出汁の文化や発酵食品を思い浮かべるかもしれません。

しかし、ある食品研究者は、その根本原則は「生」にあると喝破します。


私たちは「生」と聞くと、まず魚の刺身を連想します。


しかし、この研究者によれば、その概念は穀物にまで及びます。その代表例が、まさに「しとぎ」なのです。


さらに、すりおろした「山芋」を食べる文化も、世界的に見れば極めて珍しく、日本独自の「生」の食文化の一例だと彼は言います。


この視点は、私たちが当たり前だと思っていた和食のイメージを覆し、その原点には自然の恵みを加工せず、ありのままに頂くという思想があったことを教えてくれます。

日本のローカル祭事が、縄文から続く5000年の食文化と繋がっていた

驚くべきことに、日本の地方でひっそりと受け継がれてきたこの慣習は、時空を超え、縄文からつづく5000年の食文化という壮大な源流に繋がっていたのです。

研究者によると、日本における「お米の生食」の習慣は、この古代日本から続く伝統の継続であるというのです。


これほど古い食文化が、途絶えることなく現代の日本の一地方祭事で受け継がれていること自体が「とんでもないこと」「ありえないこと」だと、研究者はその価値を強調します。


さらに、この祭りで使われる米は、琵琶湖の砂が上がってくるという、まさにその土地ならではの「歴史的な水田」で収穫されたもの。


この事実は、しとぎ文化が単なる古い慣習ではなく、日本の土地と深く結びついた、正真正銘の生きた伝統であることを物語っています。


火を使わない神饌。米の生命力をそのまま頂くという思想

しとぎが持つ最も根源的な特徴は、神前に供えられる「神饌(しんせん)」として、意図的に「火を通さない」点にあります。


これは単に調理技術が未熟だったからではありません。むしろ、火を使わないことにこそ、深い精神的な意味が込められていました。


精巧に作られる鏡餅などとは対照的に、その作り方は極めてシンプル。


なぜなら、その目的が「米の生命力をそのまま頂く」ことにあるからです。


加熱という人為的なプロセスを介さず、穀物が持つ純粋で神聖な力を直接体内に取り込む。


しとぎを食べるという行為は、単なる食事ではなく、自然への畏敬と生命そのものへの感謝を体現する、神聖な儀式だったのです。

まとめ

水に浸した生米を搗いただけの「しとぎ」。


この一見素朴な食べ物は、日本のスイーツの原点であり、現代人の健康法となり、和食の基本理念を体現し、さらには古代日本の食文化にまで繋がるという、壮大な物語を秘めていました。


それは、調理という人の手を最小限に抑え、素材の生命力を丸ごと頂くという、食の根源的な思想を私たちに思い出させてくれます。


海外の最新スーパーフードに目を奪われる中で、私たちは自らの足元にある、火も通さぬ一握りの米に宿る生命力と、その壮大な物語を見過ごしてはいないだろうか。


慎雪(しんせつ)

慎雪(しんせつ)

子どもの出産を機に、本当の食とはなにかについて探求を始める▶本来の食について学ぶ▶食の大転換▶家族全員体質改善▶ストレスフリーの脱砂糖中毒、サプリなし、冷え性解消▶体の内側から整え、細胞の若返りをはかり いつまでも美しく健康でいられるための食の提案をします!

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