part1_食と現代社会

自然と生きる食を選ぶ〜琵琶湖と田んぼと命の循環〜

目安時間 6分

前回の記事では、日本の食を支えるインフラである農林中央金庫の長期的な赤字問題(農林中央金庫2024年3月期決算報告など参照)や約65万トンに及ぶ備蓄米の品質低下問題(農林水産省2023年報告)、さらに輸入小麦の残留農薬や遺伝子組み換え作物の懸念など、日本の「食」が抱える構造的な課題について掘り下げました。

こうした課題に対し、消費者や生産者が希望をもって取り組める選択肢は確かに存在します。日本には古来からの自然と調和した農法を引き継ぎ、発展させる人々がいます。

今回は、環境保全と持続可能性を両立させる「自然農」「循環型農業」、そして地域資源を活かす食の取り組みを事例とともにご紹介し、「未来へつながる食の選択」について深く考察します。

琵琶湖と田んぼが育む、魚と米の共生「魚のゆりかご田んぼ」

「魚のゆりかご田んぼ」とは、琵琶湖(日本最大の湖、面積約670平方キロメートル)の自然環境が育む独特の生態系と、伝統的な稲作が共生する循環型農業のモデルケースです。

小魚が産卵のために琵琶湖から周辺の田んぼへ遡上し、そこで育つ稲と共に成長します。秋には再び琵琶湖へ戻り冬を越し、春には浅瀬で産卵を繰り返す自然のリズムが維持されています(滋賀県立琵琶湖博物館, 2022)。

この田んぼは単なる農地ではなく、生きものの「ゆりかご」として機能しています。だからこそ農薬や化学肥料の使用を避け、水質を守る取り組みが徹底されています。

この活動の代表例として「オコメの麺」製品があり、魚と稲が共生した環境で作られた米を原料にしています。消費者はただの食材ではなく、生態系との調和の証を味わうことになります。

メリット詳細参照情報
環境保全農薬不使用で水質保全、魚類の生息環境を守る滋賀県環境部公式サイト
生態系の維持稲と小魚の共生が自然循環を促進琵琶湖博物館報告書2022
地元経済支援地域特産品として「オコメの麺」等のブランド化地元農協報告

「魚のゆりかご田んぼ」は、持続可能な農業として稲作と生態系保全を両立する希少な成功例です。

自然農という選択──土と人と健康のつながり

自然農は、化学肥料・農薬を一切使わず、自然の生態系の力を最大限に活用する農業スタイルです。

農林水産省の定義によると、土壌中の微生物やミミズなどの生物多様性を尊重し、雑草や虫も「敵」として駆除しないことが特徴です(農林水産省「自然農法の手引き」2023)。

自然農に取り組む全国の農家の調査によると(日本自然農法研究会2023年調査)、雑草除去を減らした結果として病害虫の発生が減り、土の団粒構造が改善されて地力が向上しています。

これに伴い収穫される野菜は味が濃く、栄養価も高いことが科学的に示されつつあります(農研機構発表2024)。

実際に自然農を実践する農家の声を引用します。

「雑草を抜かなくなったら、逆に病気が減ったんです。自然って整える力があるんですよ。」(京都府の自給農家・Yさん)

自然農は単なる生産手法ではなく、農家の精神的充足や健康への配慮、地域コミュニティとの連携による持続的なライフスタイル定着にも寄与しています。


自然農は「生き方としての農業」として注目されており、環境負荷低減と健康づくりを統合的に実現する可能性があります。

2026年・京都開催「自然食の祭典」から始まる未来

2026年2月に京都市内で開催予定の「自然食の祭典」は、自然農や在来野菜、発酵食品、伝統的調味料、地域産品を通じて「命を養う本来の食」を体験・共有できる重要な文化イベントです。

講演、展示、マルシェ、試食会など多角的に参加可能となる予定です。

この祭典で使われているキーワード「サムシンググレイト」は、新時代の食文化を象徴する言葉であり、自然の見えざる力や命の循環、私たちの存在意義との対話を意味します。

自然農家や食育活動家など多くの関係者が興味を示しています。

単なるグルメイベントではなく、自然との調和・持続可能な生き方を学び共有する場として注目されています。

今こそ「食を選ぶ力」が世界を変える

私たちの日々の買い物や食事の選択は、単なる消費を超えて社会的・環境的意思表示となります。

選択肢の例意義影響
地元自然農家の野菜購入生産継続の支援、地域活性化農地保全、地域経済の安定
オーガニック米選択農薬使用を減らす田圃の拡大生態系保護、水質保全
旬の食材を味わう命をいただく感覚の育成生活習慣教育の一環

消費者の選択は市場を動かし、環境負荷の軽減や生産方法の革新につながります。

さらに、子どもたちに「いただきます」の意味を伝え、旬の食材の尊さを体験させることは、命の循環を感じる教育として注目されています。


食は、誰もが参加できる社会変革の入り口。選択で未来を少しずつ変えていけるのです。

まとめ

  • 「魚とともにある田んぼ」「農薬を使わず育てる畑」「地元に根ざした自然食の輪」
    → これらは自然と人が共に生きる世界のビジョンを示す実践例です。
  • 食べることは「生き方そのもの」だと再認識しましょう。
  • 選ぶ食が、どんな未来を望むかという問いそのものにつながります。
  • 小さな一口の選択が、大きな変化を生む可能性を秘めています。

あなたの“選ぶ力”が、私たちの未来を豊かに耕していくのです。


慎雪(しんせつ)

慎雪(しんせつ)

子どもの出産を機に、本当の食とはなにかについて探求を始める▶本来の食について学ぶ▶食の大転換▶家族全員体質改善▶ストレスフリーの脱砂糖中毒、サプリなし、冷え性解消▶体の内側から整え、細胞の若返りをはかり いつまでも美しく健康でいられるための食の提案をします!

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